約100年前のドイツ製枕時計の再生修理

枕時計

行きつけの散髪屋さんのご実家にあった枕時計です。満身創痍の状態でした。

1.打方

①ゼンマイ切れ

②二番車のサシカナの破損

③オルゴールの櫛歯がほとんど折損

1番車の歯車の歯が一方向に傾いている。

 2.時方

⑤ゼンマイは巻ききった状態であったが、ゼンマイを戻して見ると、中心端末部で折損していた。(引っ掛け孔部片側折損)

⑥アンクル、ガンギのホゾ孔が摩耗しガタが大きい。脱進機動作不安定。

⑦天真磨耗、受けネジ磨耗

⑧ヒゲゼンマイ緩急針のところで変形

 

説明:三日月にBのトレードマーク

メーカー名:

ドイツ Badische Uhrenfabrik

1900年前後の時計

URL http://www.gtr.co.jp/hobby-site/clock/bu-ac1.htm

ホゾ締め

ホゾ孔締め:通常は裏から締めるのであるが裏側はすでに修理(深い締め跡)してあるので、今回はやむなく表から締めた。

ゼンマイ加工:引っ掛け穴を加工して再使用とした。

サシカナ

2番車のカナピンの曲がり5本、脱落1本であった。カナピンを入れ替え輪列の動きが安定しました。オルゴールは櫛歯が入手できないので相談の結果、修理しないことにしました。

<修理完了>2011-9-29

時方ゼンマイ:1日巻き、持続時間:32時間

1日当たりの誤差は±5分以内

 

<まとめ>故障個所が多く、修理は大変でしたが、学びも多くありました。岡山にきて迎えた正月、うれしい賀状いただきました。

時計はお店のカウンターの上で元気に動いているとのことで、うれしい限りです。(2013-1)