ロンジン懐中 琺瑯文字板割れ補修

ロンジン懐中時計

1715

Cal.18.69Z

 

この懐中時計は1935年ごろの製造の時計です。美しいムーブメントで、分解掃除前からしっかり力強く動いています。 

 

10時の文字が割れています。オーバーホールに加え、文字板の補修のご希望がありました。長期間、時計をお預かりし、自己流ですが割れ部の補修に挑戦させていただきました。

 

文字板の割れの補修

補修前の10の文字の状態です。

破片が凹部に貼り付けてあった。

 

破片を取り除いたら、文字板の銅のベースが現れました。

どのように凹部を埋めるか、・・・自己流ですが・・・昔のエトロー、BERGEONのホワイトエナメル、白色のうるし、プラモデル用白エナメルなど試しました。試文字板の白に近い白、硬化時間、硬化固さ、作業性などから、プラモデル用白エナメルを使用しました。凹部に薄く塗り、硬化したらまた上塗り、これを繰り返し文字板面まで充填して、もりあがった部分は鋭いカッターで削り取り充填面を整えました。(右写真の状態)

 

エナメル充填部に文字を書きこむのが難しい

黒色を入れていきましが、何度も失敗しました。失敗した黒を消そうとアルコールなどを使用すると、下地の白エナメルが溶けてしまい、下地のやり直しもしました。

 

自己流でまだ、ご紹介できるレベルではありませんので詳細は割愛します。ただ、インクの選定が一番大切ということを感じました。これを機に、世の中の文字板補修方法ついても勉強していきます。

 

今回は長い時間をいただき、自己流での補修をお許しいただいたことに感謝しています。

 

<修理完了日> 2014-1-30

(12月~1月エナメルの乾燥を待ちながら文字書きの試行錯誤でした)


ホームに戻る


ご参考(1) 時計学講和より

ご参考(2) 時計修理必携 虎の巻より