パネライ ラジオミール ゼンマイ切れ&緩急部分解

 

パネライラジオミール

Model:Radiomir

Cal.ETA B 99501

Ref.No:PAM00210

持続時間: 56時間

防水:100m

Diameter:45mm

Lug Width:26mm

 

故障1:緩急部の分解

緩急部品がスワンネックから外れた勢いで緩急計、ヒゲ持ち受けがヒゲゼンマイに絡んだまま分解した状況です。ひげ棒はヒゲ持ち受けに、緩急棒は緩急計に固定されたまま、絡み合っています。

意外にダメージが少なく、ヒゲゼンマイが黄色矢印付近はコイル間隔が狭く変形していました。このまま組み立てるとコイル相互に接触し歩度が大幅に乱れるため、コイル間隔の修正を行い、再組み立てしました。緩急棒やヒゲ持ちを外す時、ヒゲゼンマイを変形させない注意が必要です。

故障2:ゼンマイ切れ

アンクルまでゼンマイの力が伝達されていない。メインスプリングをチェックした。香箱真のから二巻き目のところでゼンマイが破断しています。交換部品を入手し交換しました。

 

付録:ベルト交換時のラグの取り付け、取り外し

黄色矢印のネジ4本を外します。ネジにはパッキンがついています。ラグを抜くとラグにパッキンがついています。ラグは2分割されますのでベルトを交換できる構造です。中央部がパイプで結合されています。

ベルトを交換し、ラグ両端をケース側面のラグ穴に挿入、ラグのV字溝にネジが喰いこむように締めます。ラグはネジにひかかって抜けません。

防水確保のためにネジにもラグにもパッキンが使用されています。適合したパッキン入手がポイントです。今回、外した時にパッキンはかなり傷んでいました。

 

注:修理作業中の写真を使いました。ラグの取り外し、取り付け作業のために、裏蓋を外す必要はありません。

 

 

<修理後の性能>

秒針はない時計ですが、日常使いで日差±15秒ぐらいです。

タイムグラファー瞬時値は文字板上で0秒、振り角330°で安定していました。

 

<修理完了日> 2014-4-12

 

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