<修理する時計>
製造年月:1957年(9月10日発売開始)
仕様:キャリバーNoは121(機械に刻印なし)、チラネジ式テンプ、17石、耐震装置はユニショック
西ドイツLACO社キャリバーNo522が手本、テンプ、アンクル、ガンギ車は同社からの輸入である。
タカノはセイコー、シチズン、オリエントに続く腕時計メーカーで1957年に腕時計の製造販売を開始、4年11カ月後にリコーに買収される。タカノブランドは4年11カ月で消滅、幻の時計メーカーといわれている。「タカノの腕時計1号機」として売り出された有名な時計。名機SEIKO MARVELにも負けない美しいムーブといわれています。
<故障内容>
①ゼンマイ切れ
②11時位置のラグが内側に相当に曲がりこんでいる。
③機械止めネジが1本折れこんでいる。
④三番車のカナとほぞ部に腐食割れ欠損あり。(現時点では性能に影響が出ていないので交換せず)
<修理結果>
①ゼンマイ(幅1.4mm×厚0.105×長30cm)が香箱真側で破断していた。同一寸法のゼンマイを入手でき交換した。
②折れこんでいるねじの除去はあきらめがちであるが私が遭遇した数件ではことのほか簡単に取り出せた。針先でつつくとガタがありでゆっくり回して取りだしました。
<修理完了>2012-8-26
びぶ朗タイムグラファーで1分間の歩度を確認、まずまずの性能がでました。精度は+13秒/日ぐらい、振り角216度でした。