セイコーCal.4843A(グランドクオーツ)オーバーホール

SEIKOグランドクオーツのロータに鉄粉付着

<故障内容>

著しい発錆があり、ムーブメント輪列の中や回路基板にさびの鉄粉が散乱していた。ローターにも多量の鉄粉が付着していて動作しない状況でした。  

<修理結果>   

オーバーホールを実施、ランニングでは1日、約1秒進みの歩度でしたがトリマーで歩度を調整することとで最終歩度は+0.08秒/日で調整終了しました。月差換算で+2.4秒です。

トリマーの調整は時計方向に回すと進み、反時計方向で遅れとなる。回転角20度分で±1秒ぐらい、つまり2秒幅の目安での調整でした。つまり、1度の回転で0.1秒相当でありデリケートなセットになります。

<修理完了>2013-4-8

この時計には38系同じく秒躍制レバーがあり、組み立て時の注意や精密な調整が必要です。

 

更新:18日経過後の誤差は0秒でした。 4月26日 

更新:55日経過後の誤差は+1秒未満でした。 6月2日 

<新秒規正装置について>

この時計には秒針を先行して10秒単位位置に規正する新秒規正装置がついています。時刻合わせに便利な機能とされています。

リューズを3段目まで引き出すとそのタイミングで秒針が直近未来の0秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒のどれかのインデックスの真上に跳んで止まります。例えば、秒針が3秒位置の時、リューズを引き出せば瞬時に10秒のインデクスの真上に跳んで移動します。同じく、47秒位置なら50秒インデクスに跳びます。したがって、針付け時にリューズ引き出し状態で秒針を0秒インデクス真上に合わせておかねばなりません。この秒針が10秒跳ぶと同時に分針、時針も10秒分動くので時刻合わせに便利な機能になります。

 

(2013-4-11更新)