オメガCal.601秒針が時々、カクカクと跳ぶ動きをする

OMEGA CAL.601 

振動数:19800回/時(5.5振動)手巻きです。

秒針がチチチと動いている途中で時々クオーツのステップ運針のようの秒針が跳ぶ動きが不規則におきるという問題です。また、ケースのパッキン面に古い裏フタパッキン溶けて付着した状態であることをお伝えしたところ、分解掃除、パッキン交換したいということでオーバーホールも行うことになりました。

秒針の不規則な跳び運針の原因は組み付け不良でした

秒針カナを秒針カナバネの先端部で持ちあげている写真です。持ちあげているべきところ、秒針カナと秒針カナ受の間に組み込まれていました。地板から持ちあげられているべきところ、秒針カナが地板に接触することから今回の不規則な動きが生じていました。

 

写真1は秒針カナの穴石です。この穴石を顕微鏡で観察しますと写真2、3の通り、秒針カナバネの先端が穴石とカナの間に差し込まれている組み付けミスが確認できました。

左写真では秒針カナ先端がカナの上にあります。この状態で秒針カナ受が組み付けられていました。

 

 

訂正(写真1)(誤)秒針受の穴石→(正)秒針カナ受の穴石

なお、部品名称は正式なものではなく、説明用にここでの名称です。

(分解整備の中から裏フタパッキンの問題について紹介いたします。)

裏フタパッキンを適正パッキンに交換

裏フタのケース番号に適合するパッキンを購入しました。

このような、ケース、風防、リューズ、パッキンなどの外装に関する対応は材料店さん(注)にいつも助けられています。

 

(ムーブメントの分解、組み立てなどはそれなりに習熟しますが、外装は難しいのでいつも材料屋さんと相談できるのは恵まれています。)

注:岡山時計部品センター  TEL:086-224-0524  FAX:086-225-6821

  URL:http://www.rakuten.co.jp/watchparts-okayama/info.html

左:適合したFリング

右:時計についていたOリング

 

適合パッキンは太すぎるのではと感じましたが、丁寧に裏フタをねじ込んでいくと裏ぶたとケース間のパッキン空間に実にキツキツに収納されました。パッキン面に腐食による凸凹ができていますが、このパッキンならかなりの防水性能を発揮すると思います。適合したパッキンの威力を感じました。

参考1:古いパッキンが溶けてケースのパッキン溝に固着していました。

参考2:パッキン面にかなりの腐食がみられました。であるからこそ、しっかりしたパッキンに交換できて良かったと思います。

備考

 

オーバーホール完了後のランニング結果

 

持続時間47時間、経過時間と誤差の関係のグラフです、止まる直前までの間で±10秒以内の誤差という素晴らしい実力でした。

 

<修理完了日> 2014-8-28

 

ホームに戻る