セイコーCal.5206A(セイコーロードマチックスペシャル)三番車カナ破損

<故障内容1>

初期状態はランニングで確認した結果、平置き文字板上で歩度確認遅れ139秒/24時間であった。パソコンタイムグラファー(びぶ朗)でシチズン・ハイラインとの比較をしました。(下図参照)なお、カレンダ送り不良、リューズがかたいなどの問題もありましたが省略します。ここでは三番車のカナ破損の故障について紹介します。

びぶ朗60秒測定表示画面

<原因検討>

上の1分間の歩度チャートでは遅れしかわからないが、びぶ朗の最大時間幅15分でチャートを書かせると以下のようになった。7.5分に1回輪列の動きに大きな支障が起きていることが分かります。

びぶ朗15分(900秒)測定表示画面
三番車カナの歯の欠け

びぶ朗の測定幅を最大の15分(900秒)にして音を聴きながらチャートを確認。姿勢は文字板下、丸印の点で、カキン、パキンという金属音がイヤホンではっきり聞こえました。繰り返し確認したが正確に7.5分間隔でした。再現性あり。異常音の出る瞬間、音のレベルがステップ状に低下しています。(青丸部です)7.5分周期に関係のある三番車を顕微鏡で観察すると写真のようにカナが1歯欠けていました。

<修理完了> 2009-5-11

三番車を交換後の15分タイムグラファーチャートは下図の通り。対策前と比較して7.5分周期の異常は解消しました。