セイコーCal.3823A VFA オーバーホール

SEIKO 3823VFAの調整箇所

<故障内容>

SEIKO Cal.3823A、オーバール後の歩度が1日20秒という猛烈な進みでした。VFAは月差5秒以内の仕様ですので、歩度調整を試みて失敗したままになっている感じです。VFAの歩度調整を3823VFAの技術解説書は手元になく探しているところです。この時計は高価な時計であったので修理部品も材料店にない場合があるなど、メーカー修理となる場合が多い時計だったのかもしれません。

 

<歩度調整>

水晶に接続されているキャパシタが大きくなれば歩度は遅れるという仮説を道しるべに調整を進めました。VFA調整は写真のように9か所にピンをセットすることができる。回路のカバーを外して観察すると2層の回路配線間の面積が調整用のキャパシタとなっているらしい。それを道しるべに調整した結果、クオーツ歩度度測定器で日差-0.02秒、月差で-0.6秒まで追い込むことができました。進みで調整終了としたかったがピンが2本しかないこと、良い歩度がえられたことからそのままとしました。

 

<修理完了>2013-4-8

 

(2013-4-19更新)

下の写真はVFAの調整箇所の回路パターンです。ピンをセットした箇所のパターンで構成される静電容量が右端にネジ留めされている調整用コンデンサの静電容量に加算されると仮定して調整しました。結果、精度よく歩度調整ができました。

(2013-4-20 追加)